生成AI画像は商用利用していい?著作権の考え方とLP・EC制作での線引き

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最終更新日:2026年7月22日
「AIで作った画像、このままホームページに載せていいんでしょうか」。制作の打ち合わせで、こう尋ねられることが増えました。ChatGPTやGeminiで画像や文章を作るのが当たり前になった一方で、「著作権的に大丈夫なのか」というモヤモヤを抱えたまま使っている方が多いと感じています。
ニュースやSNSでは「AI生成物は著作権侵害だ」という強い意見と、「AI生成物は基本的に問題ない」という意見の両方が飛び交っています。どちらを信じればいいのか分からなくなっている方も少なくありません。実務では、白か黒かではなく、確認すべきポイントを押さえているかどうかが分かれ目になります。
この記事では、生成AIで作った画像・文章を商用利用するときの著作権の考え方と、LP・EC・ホームページ制作の現場でどう線引きしているかを整理します。結論から言うと、「AI生成物だから安全」でも「AI生成物だから危険」でもなく、使い方次第でリスクは変わります。
結論:AI生成物は「著作権侵害ゼロ」ではない。類似性と依拠性で判断される
生成AIで作った画像や文章がすべて著作権侵害になるわけではありません。同時に、AIが作ったからといって無条件に安全というわけでもありません。文化庁は、AI生成物が既存の著作物の権利を侵害するかどうかを「類似性」と「依拠性」という2つの基準で判断するという考え方を示しています。
出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」をもとに整理
類似性は、生成された画像や文章が既存の作品と表現面で似ているかどうか。依拠性は、その既存の作品を知ったうえで、それに基づいて生成させたかどうかです。この2つが両方認められたときに、著作権侵害が成立すると考えられています。つまり、たまたま似てしまっただけなら侵害にならない一方、特定の作品名やキャラクター名を指定して似せて作らせた場合は、依拠性が認められやすくなります。
この考え方は、実は人間が絵を描く場合の著作権判断と大きくは変わりません。誰かの作品を参考にしただけなら問題にならないことが多い一方、意図的に模倣すれば侵害になり得る。AIが間に入ったからといって、判断の軸そのものが別物になるわけではないという理解が、まず出発点になります。
「AIで作った画像、そのまま使っていいですか?」——相談でよく聞く問い
制作の打ち合わせで、この質問を受けることが増えました。特にブログのアイキャッチ画像や、SNS投稿用の素材を生成AIで作りたいという相談で多く聞かれます。
多くの方が心配しているのは「知らないうちに誰かの作品に似せてしまっていないか」という点です。実際、生成AIは大量の既存画像を学習しているため、指示の仕方によっては、特定の作品によく似た画像が出てくることがあります。
あなたが最近AIで作った画像や文章は、誰かの作品を思い浮かべながら指示を出したものではありませんか。心当たりがあるものほど、公開前にひと手間かけて確認する価値があります。
商用利用前にチェックすべき3つのポイント
実務では、次の3点を確認する習慣をつけておくと、リスクの多くは避けられます。
| チェック項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| ①既存の作品に似ていないか | 特定の作家名・作品名・キャラクター名をプロンプトに入れていないか、生成結果が有名な作品に似すぎていないか |
| ②実在の人物・ブランドが写り込んでいないか | 肖像権・パブリシティ権、他社ロゴやパッケージデザインとの類似 |
| ③使用ツールの利用規約を確認したか | 無料プランは商用利用不可としているサービスもある。商用利用の可否・権利の帰属を規約で確認 |
このうち、見落とされやすいのが③の利用規約です。同じ生成AIでも、無料版と有料版で商用利用の可否が違うことがあります。「AIで作ったから自由に使える」と思い込む前に、使っているサービスの規約を一度読んでおいてください。
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よくある誤解「AIが作ったから著作権はフリー」
打ち合わせの場で、よく耳にする誤解が2つあります。1つ目は「AIが作ったのだから、誰の著作物でもないので自由に使える」という考え方です。これは半分正しく、半分誤りです。AI生成物そのものに他人の著作権が及ばないケースは多い一方、生成過程で既存作品に依拠していれば話は変わります。
もう1つの誤解は、逆に「AIで作ったものは全部危険だから使わないほうがいい」という考え方です。慎重なのは悪いことではありませんが、必要以上に恐れて活用の機会を逃してしまうのはもったいない話です。実際には、多くの日常的な用途(ブログの挿絵、社内資料の図解など)では、過度に恐れる必要はありません。
大事なのは、「絶対安全」でも「絶対危険」でもなく、用途とリスクの大きさに応じて確認の手間を調整することです。あなたの会社では、AI生成物を使うとき、誰が最終チェックをしていますか。この問いに答えられない状態のまま公開を続けているなら、一度立ち止まって体制を見直す価値があります。
ツールごとに規約が違う——同じ「AI画像」でも安心度は変わる
生成AI画像ツールは複数ありますが、学習データの扱いや商用利用の条件はツールごとに異なります。既存の著作物を含まないデータで学習しているツールは、著作権リスクが比較的低いとされる一方、幅広いインターネット上の画像を学習しているツールは、既存作品に似た結果が出るリスクがそのぶん高くなります。
サービスによっては、訴訟になった場合に企業側をサポートする補償制度を用意しているところもあります。「どのツールを使うか」を決める段階で、こうした違いを比較しておくと、後から慌てずに済みます。
比較する観点を整理すると、次のようになります。
| 比較観点 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 学習データの方針 | 著作権フリー素材中心か、幅広いWeb上の画像を学習しているか |
| 商用利用の可否 | 無料プランでも商用利用できるか、有料プラン限定か |
| 権利の帰属 | 生成物の権利がユーザーに帰属するか、ツール提供元と共同扱いか |
| トラブル時の補償 | 権利侵害を指摘された場合、ツール提供元がサポートする制度があるか |
この4つの観点は、契約前に一度確認しておくだけで、後々のトラブルを大きく減らせます。特に「権利の帰属」は見落とされやすく、生成物の著作権がツール提供元と共同保有になっているケースもあるため、独占的に使いたい用途では注意が必要です。
自社でツールを選ぶときは、価格や生成品質だけでなく、商用利用条件・学習データの方針・トラブル時のサポート体制まで含めて比較してください。値段が安いからという理由だけでツールを選ぶと、あとで思わぬ形で足元をすくわれることがあります。
文章生成AIにも同じ考え方は当てはまる
ここまで画像を中心に説明してきましたが、ブログ記事やLPの文章、SNSの投稿文をAIで作る場合も、基本的な考え方は同じです。既存の文章表現をそのまま模倣させれば、類似性・依拠性の両方が認められるリスクが高まります。
実務でよくあるのは、競合サイトの文章をAIに読み込ませて「これと同じような文章を作って」と指示してしまうケースです。参考にすること自体は問題ありませんが、表現をそのままなぞるような指示は避け、自社の情報・自社の言葉に置き換える工程を必ず挟んでください。
もう1つ注意したいのが、統計データや調査結果を引用する場面です。AIが生成した文章の中に、出典不明な数値や、実在しない調査結果が紛れ込むことがあります。数値を扱う文章は、AIの出力をそのまま使わず、必ず一次情報で裏付けを取ってから公開する。この一手間は、著作権とは別の意味でも欠かせません。
商標・意匠は?——ロゴ・パッケージデザインで気をつけたいこと
画像の著作権だけでなく、ロゴや商品パッケージのデザインでは商標・意匠の視点も必要です。AI生成物だからといって、商標法・意匠法の扱いが従来と変わるわけではありません。既存の登録商標に似たロゴをAIで生成し、そのまま使ってしまうと、通常の自作デザインと同じように侵害と判断される可能性があります。
出典:特許庁関連の解説・報道をもとに整理
ロゴや商品パッケージのように、長期間使い続け、ブランドの顔になっていくデザインほど、AI任せにせず、既存の商標・意匠との類似性を事前に確認する価値があります。一度世に出してしまってから変更するコストは、事前チェックの手間よりずっと大きくなります。
名刺やパンフレットに一度刷り込んだロゴを後から変更するとなると、印刷物の刷り直しだけでなく、取引先への周知、看板やのぼりの作り直しなど、想像以上にコストがかさみます。ロゴ・パッケージデザインは、多少時間がかかっても事前確認を丁寧に行う価値がある領域だと考えています。
実際にあった「ヒヤッとした」場面
以前、ある事業者の方から「SNS投稿用にAIで作ったイラストが、有名なキャラクターのタッチにそっくりだと指摘された」という相談を受けたことがあります。本人にキャラクターを模倣する意図はなく、「かわいい系のイラスト」とだけ指示していたのですが、生成結果が特定の作風に強く寄ってしまっていました。
このケースでは、指摘を受けてすぐに投稿を取り下げ、画像を作り直すことで大事には至りませんでした。ただ、公開前に既存作品との類似性を確認していれば、そもそも防げた場面でもあります。「かわいい」「かっこいい」といった抽象的な指示でも、AIが特定の作風に寄ってしまうことはあるという点は、覚えておいて損はありません。
この一件をきっかけに、その事業者の方は「生成した画像は、投稿前に一度検索してみる」という一手間を習慣にされました。特別なツールを新しく契約したわけではなく、無料の画像検索サービスで似た画像がないか調べるだけです。手間としては数分程度ですが、この数分が後々のトラブルを防ぐ保険になります。
LP・EC・HP制作でAI画像を使うときの現実的な線引き
私たちがLP・EC・ホームページ制作の現場でAI生成画像を使うときは、用途によって扱いを分けています。ブログ記事のイメージ画像や、雰囲気を伝えるための背景素材といった、ブランドの顔にならない部分は、AI生成でも問題になりにくい領域です。
一方、ロゴ・キービジュアル・商品パッケージのように、長く使い続け、会社やブランドの顔になっていく部分は違います。AI生成をそのまま採用するのではなく、人の目で既存作品との類似性を確認したうえで仕上げることにしています。AI×LP・EC制作の活用でも触れたとおり、AIは叩き台を速く出す道具であり、最終的な採用判断は人が行うという役割分担が基本です。
EC商品ページの写真も同様です。雰囲気を伝えるための背景素材や装飾的な画像はAI生成でも支障が少ない一方、商品そのものを写す写真は、実物を撮影したものに勝る安心感があります。著作権の観点だけでなく、購入者に正しい情報を伝えるという意味でも、商品写真は実写を基本にするという方針を私たちは取っています。
制作を依頼する側としても、「AI画像をどこまで使うか」を発注前に決めておくと、後からの手戻りを防げます。全部人の手で作るのか、下書きはAIに任せて仕上げは人が行うのか。この線引きを最初に共有しておくことが、著作権リスクの管理にも、制作のスピードにもつながります。
sober designにできること
sober designは、岐阜市を拠点にホームページ・LP・EC制作を手がけてきた立場で、AIコンテンツの著作権リスクを踏まえた制作支援も行っています。生成AIで作った画像・文章をそのまま使うのではなく、公開前のチェック体制まで含めてご提案できるのが強みです。
すでにAIで画像や文章を作っている場合も、「このまま使っていいか」の確認だけのご相談を歓迎しています。生成AI業務効率化や、AI導入の始め方とあわせて、自社のコンテンツ制作にAIをどこまで使うか、一緒に整理しましょう。まずは制作実績をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
生成AIで作った画像は、著作権的に完全に安全ですか?
完全に安全とは言い切れません。既存の作品と表現が似ていて(類似性)、かつその作品を踏まえて生成させた場合(依拠性)は、侵害と判断される可能性があります。公開前に既存作品との類似性を確認する習慣が大切です。
「〇〇風のイラスト」とAIに指示するのは問題ありませんか?
特定の作家名や作品名を直接指定すると、依拠性が認められやすくなります。抽象的な指示でも生成結果が特定の作風に強く寄ることがあるため、生成後に既存作品と似すぎていないか確認してください。
無料プランで作った画像も商用利用できますか?
サービスによって異なります。無料プランでは商用利用を認めていないケースもあるため、使用するツールの利用規約を必ず確認してください。
ロゴをAIで作っても大丈夫ですか?
ロゴは長期間使い続けブランドの顔になるものなので、既存の登録商標・意匠との類似性を事前に確認してください。AI生成だからといって商標法上の扱いが変わるわけではありません。
似ていないか、自分たちでどう確認すればいいですか?
画像検索サービスで似た画像がないか調べる方法が手軽です。判断に迷う場合は、公開前に第三者の視点で確認してもらうか、専門家に相談することも検討してください。
文章生成AIにも同じ考え方は当てはまりますか?
基本的な考え方は同じです。既存の文章表現をそのまま模倣させた場合はリスクがあります。ブログやLPの文章は、AIの出力をそのまま公開せず、人が内容を確認・調整してください。
著作権のチェックまで制作会社に依頼できますか?
ご相談内容によって対応範囲は変わりますが、公開前の確認体制づくりまで含めてご提案できます。内容を伺ったうえで、具体的な進め方をお見積もりします。
すでに公開してしまったAIコンテンツが心配です。どうすればいいですか?
まずは既存作品との類似性を確認してください。似ている作品が見つかった場合は、差し替えや取り下げを検討します。判断に迷う場合は、早めにご相談いただくほど選択肢が残りやすくなります。
AIコンテンツ・著作権まわりのご相談はこちら / TEL:058-213-0270(受付:月〜土 9:00〜18:00)/ お問い合わせフォーム・LINEからもご連絡いただけます。
今のサイトのコンテンツ、確認してみませんか?無料HP診断はこちら / TEL:058-213-0270(受付:月〜土 9:00〜18:00)
まとめ:AIコンテンツは「作って終わり」ではなく「確認して公開」
生成AIで作った画像や文章を商用利用するとき、大事なのは「AIが作ったから安全」でも「AIが作ったから危険」でもなく、公開前に既存の作品と似ていないかを確認する一手間です。類似性と依拠性という2つの基準を頭に置いておくだけで、判断に迷ったときの拠り所になります。
ブログのイメージ画像のように影響範囲が狭いものと、ロゴやキービジュアルのようにブランドの顔になるもの。用途によって確認の手間をどこまでかけるかを変えるのが、現実的な進め方です。
AIコンテンツの活用は、これから先も広がっていく流れです。だからこそ、恐れて手を止めるのではなく、確認の習慣を身につけて使い続ける会社のほうが、結果的に一歩前に進めると私は考えています。
著作権の話は、白黒はっきりつけたくなる気持ちも分かりますが、実際には「どこまで確認したか」というグラデーションの中で判断していくものです。完璧を目指しすぎて何も使えなくなるより、押さえるべき3点を習慣化して、安心して活用を続けるほうが現実的です。
「このまま使っていいのか分からない」という段階からのご相談も歓迎しています。まずは制作実績をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。