ChatGPTプロジェクトの使い方|中小企業が業務別に情報をためて活用する手順

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最終更新日:2026年9月10日
ChatGPTを使い始めると、会話がすぐ散らかります。先週の提案書の下書きはどこだっけ。あの会社のトーンを指定した会話は、別のスレッドに埋もれてしまった。毎回同じ資料を添付し、同じ前提を説明するのは、地味に時間を奪います。
そんなときに役立つのがChatGPTの「プロジェクト」です。案件や業務ごとに、会話・資料・指示を一か所に集めておけます。単なる会話のフォルダではなく、ChatGPTに仕事の前提を持たせる作業場所だと考えると分かりやすいでしょう。
先に結論をお伝えします。プロジェクトは、長く続く仕事を「案件単位」で整理するための機能です。ただし、便利だからと社内資料を何でも入れる場所にしてはいけません。まず少人数・低リスクの業務で試し、入れてよい情報と共有範囲を決めてから広げてください。
この記事のポイント
ChatGPTプロジェクトは、資料・指示・会話を案件ごとに集め、毎回の前提説明を減らす機能です。中小企業では「便利そうな機能」ではなく、業務の型を残す場所として使うと成果につながります。
- 前半:プロジェクトでできることと、通常チャット・GPTとの違いを整理
- 中盤:営業提案、採用、Web集客で使える具体的な作り方と指示の例を紹介
- 後半:共有時に見える情報、入れてよい資料、社内で守るルールを解説
- 終盤:担当者だけで終わらせず、小さく試して広げる4段階の進め方を提示
ChatGPTプロジェクトとは:仕事に必要な前提を一か所へ集める機能
ChatGPTプロジェクトは、特定の仕事に関するチャット、アップロードしたファイル、プロジェクト固有の指示をまとめる専用スペースです。
通常のチャットでは、会話を新しくするたびに「当社はこういう会社です」「この資料を前提にしてください」と伝え直します。プロジェクトにしておけば、その案件に必要な背景を保ったまま、次の作業へ移れます。OpenAIも、執筆、リサーチ、計画のように繰り返し発展する作業に適した機能として案内しています。
たとえば「2026年秋の採用」を一つのプロジェクトにするなら、募集要項、過去の応募者から出た質問、採用ページのURL、社内で使う文章のトーンを集めます。その中で求人原稿、面接案内、SNS投稿、よくある質問を作る。会話が変わっても、仕事の土台は同じ場所に残ります。
私たちが中小企業のAI活用を考えるとき、まず「何のために使うか」を聞きます。プロジェクトは、その答えが「案件」「定例業務」「部門」で言える仕事に向いています。雑談や単発の調べものまで入れる必要はありません。
プロジェクトに集める3つのもの
プロジェクトは、次の3つがそろって初めて力を発揮します。
| 集めるもの | 具体例 | 役割 |
|---|---|---|
| 参考資料 | 会社案内、商品資料、議事録、過去の原稿 | 回答の根拠と前提をそろえる |
| プロジェクト指示 | 想定読者、文体、出力形式、確認してほしい点 | 毎回の指示を省き、成果物のばらつきを抑える |
| 会話の履歴 | 検討過程、決定事項、下書きへのフィードバック | 途中からでも仕事を再開しやすくする |
仕事を受け継ぐとき、口頭説明だけでは抜けが出ます。プロジェクトに「何を決め、どんな資料を見て、どこで迷ったか」が残っていれば、次の担当者もゼロから始めずに済みます。引き出しの奥に眠るファイルを探す時間は、意外と長いものです。
通常チャット・GPT・プロジェクトの違いを先に決める
ChatGPTプロジェクトは、毎回変わる案件の文脈を持ち続けるために使います。
似た機能に通常チャットとGPTがありますが、用途は同じではありません。ここを混同すると、「何でも一つのプロジェクトに入れる」か「機能を作っただけで使われない」のどちらかになりがちです。
| 使い分け | 向く場面 | 例 |
|---|---|---|
| 通常チャット | 一度きりの質問や短い作業 | メール1通の下書き、用語の確認 |
| プロジェクト | 資料や方針を引き継ぎながら続く仕事 | 採用、展示会、サイトリニューアル、月次レポート |
| GPT | 複数の場面で同じ専門的な役割を繰り返す仕事 | 社内文書の校正役、商品説明の下書き役 |
GPTは、共通の役割や知識を広く再利用する仕組みです。一方、プロジェクトは「この採用」「この展示会」のように、資料や会話が増え続ける仕事の部屋です。OpenAIの案内でも、GPTは静的な専門知識の展開、共有プロジェクトは継続的に情報が足される共同作業のハブとして区別されています。
迷ったら、こう考えてください。「来月もこの資料と会話を使うか」。答えがはいならプロジェクトです。「別の案件でも同じ役割を使うか」。答えがはいならGPTを検討します。
AIを業務に合わせて整理したい方は、sober designのAI導入支援をご覧ください。ツールを増やす前に、使う業務と情報の扱いを一緒に整理します。
ChatGPTプロジェクトの作り方:最初の設定を簡潔に決める
最初のプロジェクトは、少人数で完結し、公開済みの情報だけでも試せる業務から作ってください。
作り方自体は難しくありません。ChatGPTのサイドバーから「新しいプロジェクト」を作成し、目的が分かる名前を付けます。次に、必要な資料を追加し、プロジェクト指示を書きます。これだけです。ただし、名前と指示を曖昧にすると、後から見返したときに何の箱なのか分からなくなります。
最初に設定する順番
作成時は、次の5つを順番に整えます。
- 目的が分かる名前を付ける:例は「採用広報2026秋」「展示会フォロー」「月次Web集客レポート」です。「仕事用」「資料」では、3週間後の自分が困ります。
- 公開済みか、入力が許可された資料だけを追加する:最初は会社案内、公開済みのサービス資料、既存サイトの文章などが安全です。
- プロジェクト指示を100〜200字程度で書く:誰向けに、何を、どんな形式で作るかを固定します。
- 最初の会話で出力例を一つ作る:完璧な指示を考え込むより、原稿や要約を出して直すほうが早いです。
- 決定事項を会話の最後に要約させる:次回の自分、または別の担当者が途中から入るための助けになります。
プロジェクト指示は、会社の憲法のように長く書く必要はありません。むしろ、読まれない立派な規程は、パソコンの奥で静かに眠ります。最初は次の4点があれば足ります。
| 指示に書く項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 目的 | 採用候補者に、仕事内容と職場の雰囲気を正確に伝える |
| 読者 | 岐阜・愛知で転職を検討する、実務経験者 |
| 文体 | 専門用語を避け、断定しすぎず、ですます調で書く |
| 確認事項 | 数値、待遇、制度は資料にない内容を補わず、確認が必要と明記する |
この形なら、ChatGPTの返答がずれたときに、どの項目を直せばよいかも見えます。「もっといい文章にして」だけでは、次も同じように迷います。目的・読者・形式に分けると、人に頼むときもAIに頼むときも伝わり方が変わります。

業務別の活用例:営業・採用・Web集客はプロジェクトと相性がいい
ChatGPTプロジェクトは、毎月・毎案件で同じ前提を使う仕事ほど効果が出ます。
ここでは、特別なAI部門がなくても始めやすい3つの使い方を紹介します。大切なのは、AIに丸投げすることではありません。担当者の判断を残したまま、準備と整理を軽くすることです。
営業提案:提案の下ごしらえを案件ごとに残す
提案案件のプロジェクトには、公開情報、ヒアリングメモ、提案書の構成、よくある質問を集めます。次の商談前には「前回の宿題と未確認事項を3つに整理して」と聞けます。提案書のたたき台を作るときも、以前の会話を探して貼り直す手間が減ります。
ただし、見積額や取引先の未公開情報を入れる前に、社内ルールと契約プランを確認してください。最初は自社の公開サービス資料だけで提案の型を作り、運用が固まってから入力範囲を見直すほうが安全です。
採用広報:発信の軸を毎回ぶらさない
採用では、求人原稿、社員インタビュー、応募者向けのFAQ、SNS投稿が別々に作られがちです。採用プロジェクトに、採用したい人物像、公開できる社内情報、言ってはいけない表現を置きます。すると、求人原稿だけ元気で、SNS投稿だけ急に他人行儀、といったズレを抑えられます。
私なら、最初の会話で「募集要項にない待遇や制度は創作しない。表現が迷う箇所は確認事項として列挙する」と指示します。採用情報は、少しの言いすぎが信頼を削ります。気の利いた文章より、事実が正しく伝わることを優先してください。
Web集客:記事・SNS・レポートの前提を共有する
Web集客では、ブランドの言葉づかい、サービスの強み、避けるべき表現、参照してよい一次情報をまとめます。そこから記事構成、SNS投稿、広告文の案、月次レポートの要約を作れば、媒体が違っても軸がずれにくくなります。
たとえばsober designでも、AIを使って記事の構成案や表記チェックを行う場面があります。ただし、公開前の最終判断は人が行います。AIは散らかった材料を並べるのが得意ですが、何を載せるか、読者に約束してよいかを決める仕事までは代わってくれません。この線引きは、中小企業のAI導入でも欠かせない考え方です。
共有する前に知っておきたいこと:プロジェクト内の情報はメンバーに見える
共有プロジェクトでは、参加メンバーがプロジェクト内のチャット、ファイル、指示を参照できます。
これは共同作業には便利です。担当者が休んでも、途中から別の人が内容を追えます。一方で、「チャットだけ共有するつもりだったのに、添付資料も見える」といった誤解は避けなければなりません。共有前に、何が見えるかをチームで確認してください。
| 共有前に確認すること | 具体的な判断 |
|---|---|
| メンバー | その案件に本当に必要な人だけを招待する |
| ファイル | 個人情報、未公開の価格、契約書原本などが混ざっていないか確認する |
| 会話 | 会話を移動すると共有範囲が変わることを理解する |
| 権限 | 編集できる人と、閲覧・チャットだけの人を分ける |
共有プロジェクトでは、編集権限とチャット権限を分けられる案内があります。誰でも資料を追加・削除できる状態にするのではなく、指示と資料を整える担当を決めると、プロジェクトの品質が保てます。
もう一つ、プランとデータの扱いを混同しないでください。OpenAIは、ChatGPT Business、Enterprise、Eduなどのビジネスデータを原則として学習に使わないと案内しています。一方、個人向けプランでは設定や利用条件を確認する必要があります。「ChatGPTだから危険」「Businessなら何でも入れてよい」という二択ではありません。データの種類、契約、社内規程を合わせて判断する問題です。
出典:OpenAI Help Center「ChatGPTのプロジェクト」、OpenAI「Business data privacy, security, and compliance」をもとに整理
社内ルールはA4一枚で始める:入れてよい情報を決める
安全な運用は、禁止事項を増やすことではなく、迷わない基準を作ることです。
「機密情報は入れない」とだけ書かれていても、現場では判断できません。営業担当なら、会社名はだめなのか。公開前の導入事例はどうか。社員の顔写真はどうか。具体例がないルールは、結局それぞれの感覚に任されます。
まずは、次の3区分をA4一枚にまとめてください。
| 区分 | 例 | 最初の運用 |
|---|---|---|
| 入れてよい | 公開済みサイト、会社案内、一般公開のカタログ | 最初の検証に使う |
| 確認してから入れる | 取引先との会議メモ、公開前の原稿、社内手順書 | 責任者と契約・設定を確認する |
| 入れない | 個人情報、パスワード、口座情報、未公開の契約書原本 | 別の安全な保管・業務フローを使う |
この表は法的な判定表ではありません。自社の情報管理ルール、顧客との契約、利用中のプランに合わせて整えてください。それでも、何もない状態よりは格段に現場で使えます。
もう一つ決めたいのが、出力の確認者です。たとえば採用原稿は人事、サービスの説明は担当責任者、数値を含む資料は経理または事業責任者という具合に、最終確認を置きます。AIが書いた文章は速く読めるぶん、もっともらしい誤りも速く通り抜けます。信号機がない交差点を、文章だけが猛スピードで走るようなものです。

小さく始める4段階:便利さを実感してから広げる
ChatGPTプロジェクトの社内導入は、最初から全社共有にせず、1業務・1チームで試すのが現実的です。
いきなり「全員、明日から使ってください」と始めると、資料の置き場所も指示の書き方も人によって違い、便利さより混乱が先に来ます。最初の成功は、小さくて構いません。
- 対象業務を一つ選ぶ:公開情報で試せる採用広報や、月次レポートの下書きが候補です。
- 担当を2〜3人に絞る:作る人、確認する人、使う人を分けすぎないほうが、改善が早く回ります。
- 1か月後に振り返る:何分短縮できたかだけでなく、出力の修正回数、資料を探す時間、問い合わせの質も見ます。
- ルールを直してから次へ広げる:うまくいかなかった指示や、入れてはいけない情報が見つかったら、A4一枚を更新します。
導入の相談では「何ができますか」と聞かれることがあります。でも、本当に先に決めるべきは「今いちばん繰り返している面倒な仕事は何か」です。そこにプロジェクトを当てると、AIのために業務を変えすぎずに済みます。
自社だけで棚卸しが難しい場合は、AI活用の支援先に相談してください。sober designでは、ホームページ制作やWeb集客の支援と並行し、業務の棚卸しからAI活用のルールづくりまでお手伝いしています。派手な自動化より、毎週繰り返す仕事が少し軽くなること。そこから始めるのが、長く続く導入だと考えています。
あなたの業務で、最初にAIを使う場所を一緒に整理します / AI導入支援 / TEL:058-213-0270(受付:月〜土9:00〜18:00)
よくある質問(FAQ)
ChatGPTプロジェクトに関する、導入前によく出る質問に答えます。
ChatGPTのプロジェクトは無料で使えますか?
プロジェクトの利用可否、アップロードできるファイル数、利用できる機能はプランによって変わります。OpenAI公式では無料・有料の各サブスクリプションでプロジェクトを案内していますが、機能や上限は変更されるため、利用前に最新の公式ヘルプと料金ページを確認してください。
ChatGPTのプロジェクトとGPTはどちらを使えばよいですか?
案件ごとに資料・会話・決定事項が増える仕事にはプロジェクトが向いています。複数案件で同じ専門的な役割を繰り返す仕事にはGPTが向いています。たとえば「採用広報2026秋」はプロジェクト、「社内文章の校正役」はGPTという分け方です。
共有プロジェクトに追加した資料は、誰が見られますか?
共有プロジェクトのメンバーは、プロジェクト内のチャット、ファイル、指示を参照できます。招待する人を必要最小限にし、追加前にファイルの内容を確認してください。共有範囲と権限の仕様は変わることがあるため、最新の公式ヘルプも確認します。
顧客情報や見積書をプロジェクトに入れてもよいですか?
一律に「よい」とは言えません。情報の種類、顧客との契約、利用するプラン、社内の情報管理規程を確認してください。最初は公開済みの資料で使い方を検証し、顧客情報、未公開の価格、契約書原本、個人情報は入力しない運用から始めると判断を誤りにくくなります。
プロジェクト指示には何を書けばよいですか?
目的、読者、文体、出力形式、確認してほしい点を書いてください。例として「中小企業の採用候補者向けに、ですます調で300字のSNS投稿を作成。待遇や数値は資料にない内容を補わず、確認事項として分ける」と書けば、回答の方向が安定します。
中小企業では、どの業務から始めるとよいですか?
公開情報を中心に進められ、繰り返し発生する業務が候補です。採用広報、公開済みサービス資料からのSNS投稿案、月次レポートの要約、会議のアジェンダ作成などから選んでください。まず1業務を2〜3人で試し、出力の修正回数や探す時間が減ったかを振り返ります。
ChatGPTを「個人の便利ツール」で終わらせず、業務の型にしたい方へ
TEL:058-213-0270(受付:月〜土9:00〜18:00)/ お問い合わせフォーム・LINEからご相談いただけます。
まとめ:プロジェクトは、AIに任せる前提を整える場所
ChatGPTプロジェクトは、資料・指示・会話を案件ごとにまとめ、仕事の前提を引き継ぐための機能です。通常チャットよりも長く続く仕事に向き、GPTよりも案件固有の文脈を扱いやすい特徴があります。
使い方のコツは、資料をたくさん入れることではありません。目的が分かる名前を付け、指示を短く書き、公開済みの情報から試す。そして共有時には、見える情報と権限を確認する。まずこの4つを守ってください。
「AIを使う」と決めると、つい新しい機能に目が向きます。けれど現場で役立つのは、毎回探している資料、何度も説明している前提、担当者の頭にしかない判断基準を少しずつ整理することです。プロジェクトは、その地味で大切な整備を続けやすくしてくれます。